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旅費法改正

旅費法改正

2024年の旅費法改正案:負担を軽減する実務者視点での提案 | 誰も教えてくれない官公庁会計実務

官公庁それぞれ各組織が定めた内部規則、運用指針などが無数にあります。クモの巣のようにがんじがらめになっており、旅費に関する法令や規則を100パーセント理解することは、誰にもできない、無理な状況になっています。

ちょっとこの部分にはツッコミを入れざるを得ない。
確かに過去そのような状況*1であったのは事実だが、2008年11月に「旅費業務に関する標準マニュアル」が出来てからは各組織間でバラバラだった運用がかなり統一されている。

この標準マニュアル(通称)はとてもよくできていて、個人的には当時かなり感心した覚えがある。
SEABISという旅費システムを各省庁が導入して共通で使うためには、細かな運用の違いがあるのは望ましくなく、システム化の前にまずは旅費そのものの標準化が必要で、そのために各省庁の事務方トップが集まって*2、このマニュアルに従ってやりましょう。と合意したことがシステム化(デジタル化)よりもむしろ素晴らしく画期的*3なことだと考える。

SEABISは実によくできていて、裏でADAMS2と連携しつつ、旅費の完全デジタル化を実現し、旅費支給の迅速化も成し遂げたのと同時に支出証拠書のデジタル化まで成し遂げた。大変素晴らしい。が、この話はとりあえず又の機会にして、制度・運用の話に戻る。

旅費の一番上位にあるのが、

国家公務員等の旅費に関する法律

その下に

国家公務員等の旅費支給規程(財務省令)
国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について(主計局長通牒)

とつづき、さらに

○○省所管旅費取扱規則(これは各省庁でバラバラ)

と細分化していくうちに、細かな運用が変わってきてしまっていたところを前述の標準マニュアルが一つにまとめ上げてくれた。だけにとどまらず、この標準マニュアルだけを読めばおよそ旅費というものが理解できるほどに、シンプルで分かりやすく書いてくれている。

細かな運用の違いとは、例えば半日当の雑費を支給するに当たっては、昼食を旅行中に食べるか否かで半日当を支給するかどうか判断する、と言ったこと。
9:00に官署を出発する場合は半日当が支給されるが、14:00に出発する場合は支給されない。しかし、例えば昼休み時間に昼食を取る時間がなく、14:00に出発する場合であっても、旅行中に昼食を取るのであれば半日当を支給するなど。非常に煩雑で各官署ごとや各省庁ごとにバラついていた。

そのような状況を標準マニュアルが統一してくれた。


基本的には標準マニュアルだけを熟知すれば大丈夫とはなったが、基本となる旅費法が古いままという問題はあり、例えば自宅発着の旅費は、官署発着旅費と金額比較をしなければダメという点など、古い決まりが残ってしまってはいた。


令和6年の旅費法改正は、旅費についての抜本的な改正であり、標準マニュアルだけでは吸収しきれなかった問題を直すことになった。

これを受けた標準マニュアル(多分Ver.3-0)はまだできあがってないが、今から完成が楽しみである。


追記:

https://kaikei.mynsworld.com/ryohihou-kaisei/

日当(昼食代相当分)を実費弁償とする場合の確認

この部分にもツッコミを入れておかねばなるまい。
前述のとおり、半日当が昼食代相当という理解は、標準マニュアル(正確に言うとVer.2-0以降か)ができる前までの話で、それができてからは昼食代がかかろうが、かかるまいが、日当は日当であり、距離に応じて定額が支給されるもの。になりました。
距離に応じてとは全行程で鉄道100km以上であれば半日当(例1,100円)を支給するということ。仮に15:00出発であり、出発時点で昼食を取っていることが明らかであったとしても、それとは関係なく支給すると言うことです。

さらに追記:

こんな事をかいていたら、ちょうどパブリックコメントの募集が出たようだ。
public-comment.e-gov.go.jp

思うところある人は意見してみるのが良いんじゃないかな。

*1:100%の理解は誰にもできない。ってのはさすがに言い過ぎだけど

*2:旅費・会計等業務効率化推進会議や旅費業務効率化推進タスクフォースを経て

*3:対極をなすのが人給システム