以下の引用の飯間浩明さんの講演聴いたことあるんですよね。国立国会図書館主催の。
だからなにって事はないけど。
それはそれとして、非常にためになるポストです。
7月20日のテレビ朝日「池上彰のニュースそうだったのか!!」で、「日本」の読みが「ニッポン」から「ニホン」になったのは〈せっかちな江戸っ子が早口で話し〉たためと解説。これはきわめて明白な俗説中の俗説で、「※諸説あり」と断ったとしても、テレビで放送すべきではありません。(続く) pic.twitter.com/KN8tkPzYKs
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2024年7月20日
この「江戸っ子早口説」は、2019年にNHK「チコちゃんに叱られる!」で山口謠司氏が唱えました。不可解な説明です。歴史的には、室町時代の発音はnipponおよびnifonで、江戸時代にかけてfの発音がhに移行したため(京都でも江戸でも)、nihonが成立したのです。江戸っ子のせっかちとは無関係です。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2024年7月20日
古代の日本語で「日本」は「ニッポン」に近い発音でした(正確な発音は議論があります)。「ニホン(昔の発音ではnifon)」も、私は平安時代に現れていても不自然でないと思いますが、確例は17世紀のキリシタン資料に見えるローマ字表記です。当時の『日葡辞書』の「Nifon」の表記を示しておきます。 pic.twitter.com/oQ4AN6bvmo
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2024年7月20日
「諸説あり」という表現は、専門家が真実を追究して、それでもなおいくつかの説に分かれる、という場合にこそ使うべきです。専門家なら「それは事実に反する」とあっさり否定できるような説を「諸説」の中に加えるべきではありません。「諸説あり」がフェイクを拡散させる免罪符になってはいけません。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2024年7月20日
あと、「ニッポン」と「ニホン」の発音はどちらが正しいか、という話は、私はしていません。それは番組の言うとおり「どちらも正しい」と考えて差し支えありません。このことは『日本語はこわくない』(PHP研究所)に書きました。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2024年7月20日