over the rainbow

いわゆる日記です

図書館の建築デザイン話

ある一般開放されていない図書館の運営に関わっている身から、この件に反応します。

図書館へ人を呼ぶって事は難しい。
その一つの方策として図書館デザインがあるだろう。

採光が多いと問題が出る?
紫外線が本にとって良くないのは確かだが、それは本に限った話ではなく、紫外線は劣化の原因となる。それはそうだ。

長く保存する本がどれほどあるか? 永久保存しなければならない本は表には出していない*1のではないか?
そして、永久保存しなければならない本とは、国立国会図書館に所蔵がない図書であり、それほど多くないと思慮する。
長期保存(永久保存)しない本であれば、別に紫外線を浴びさせても特段問題はない。
そして、多くの人が利用する本とは話題になっている本であり、長期保存しない本だ。それは各図書館でデータ化している貸出しランキング等でもわかるとおり。
もちろん、多くの人が利用しない本も大事ではある。

ここで重要な事として、蔵書が増えていく一方であるとすると、空間に限界はあるんだから、いつか破綻する。
なので、除籍*2が大事なんだけど、そこが多くに人に理解されていないポイント。これがわかれば、全てを永久保存するなんてこと、ほとんどの図書館では不可能だということがわかるはず。
つまり、劣化して良い本も結構ある。



なので、ここで言う「見かけだけ」というのも大事なことではないかと思う。



こういう利用者の声が重要。
でもって、このような声はそんなに大きくないので、声が大きい反対者ばかりが目立ってしまう。



そうかもねぇ



陳列も大事な図書館としてのサービスであると言うことを理解していないと思われる。
そして、陳列は「ただ本が置いてある」のではない。


図書館の建築デザインにとって大事なのは、下記に書いてあるとおり<フラット・フロア,ノーステップ>ではないかな。こういう基本的な事を押さえておく。その上で見た目はカッコイイならば、その方が良いに決まっている。
https://core.ac.uk/download/pdf/236170104.pdf

追記:

飲食について書くのを忘れていた。
これは、飲食スペースを分離すればいいだけ。(元のツイートにも分離と書いてある)例えば土浦市立図書館のヨムカフェラウンジみたいに。
ここで読書中に飲み物をこぼしてしまって、本を汚してしまったとしたらよくあるお問合せ | 土浦市立図書館に書いてあるように弁償すればいいだけ。
仮に、貴重な資料であれば閉架から貸し出す際に、ヨムカフェラウンジには持ち出さないこと、飲食は厳禁であること、あるいは閲覧スペースを指定する。などで対応すればいいだろう。

にしても、この土浦市立図書館のサイト、なんでこんな訳解んないドメインつかうんだろうなぁ...
https://www.city.tsuchiura.lg.jpの下に置けよ。lg.jpじゃないと信用出来ないだろうが。

追記2:

togetter.com
私と同じような意見の人も多くて安心した。

2023年1月25日追記:

note.com
大変丁寧なフォローアップ記事がありました。
素晴らしい。

*1:閉架蔵書

*2:図書館で,所在不明であったり,破損,汚損があったり,あるいは不要となった資料を原簿から削除すること.その図書館の物品管理規程に従った処理が行われる.除籍された資料に対しては,廃棄,寄贈,売却などの処理がとられる.(図書館情報学用語辞典 第5版「除籍」の解説)